あざみ野駅サイン更新記録本

著者:青線
価格:
880円(本体800円+税)
発売日:
2021年12月31日
仕様:
B5判・フルカラー
ISBN:
9784909784100

「おもしろ同人誌バザール8」で頒布したコピー本が内容と装いを新たにして帰ってきました! ある日突然、気づかぬ間に交換されている駅のサイン―― 1つの駅の「駅の看板」の変化を写真とともに振り返ります。

【目次】
1-1 あざみ野駅
1-2 新旧サイン
1-3 サインの分類

2-1 地上出口部サインの変遷
2-2 出口付近サイン変遷
2-3 改札口付近サイン変遷
2-4 ホームサイン変遷
2-5 ホーム駅名標変遷

3-1 コンコース新旧サイン比較
3-2 ホーム新旧サイン比較

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本書に込めた想い ― 巻頭・巻末より抜粋 ―

はじめに

 この度は、本書をお手に取っていただき、ありがとうございます。突然ですが、皆さんは駅構内の案内看板、いわゆる「サイン」に愛着はありますか?サインは駅に迷い込んだ我々を、確かにホームや出口に送り届けてくれますが、普段は駅の景色に溶け込んで見えなくなってしまう空気のような存在です。しかし毎日見ていたはずのサインが、ある日突然変わってしまう。すると不思議なことに駅の雰囲気もガラリと変わってしまいます。サインは駅の景色を構成する要素として、重要な位置を占めているのです。

 本書は、2019年10月から11月にかけて横浜市営地下鉄あざみ野駅にて行われたサイン更新で、駅構内の各サインがどのように変わったかを比較しながら、市営地下鉄のサインについてあれこれ語る本です。2019年11月にコピー本として発行した「地下鉄あざみ野駅新旧サイン写真集」の増補改訂版にあたります。

あとがき

 最後までご覧いただきありがとうございました。今回は、横浜市営地下鉄あざみ野駅のサイン更新の記録というテーマで1冊出させていただきました。
 本書の構想を立てたのは、あざみ野駅のサイン更新が概ね終わった頃で、記録していた写真を掘り出しながらの執筆となりました。当初は、更新の過程はある程度記録しているという認識だったので、素材は足りるだろうと楽観視しておりました。しかし、いざ筆を取ると、「このサインも、あのサインも満足に記録して無いじゃないか!」という気づきの連続で、切羽詰まりながらも図を活用するなどしてどうにか脱稿に辿り着くことができました。本書の冒頭に掲示した「サイン記録の三原則」は、本書の作成を通じて得たこのようなを反省を大いに込めたものでもあります。
 ところで、3章で提示した、平面図にサインの設置場所を書き込んだ図は、実は筆者がサインシステムという概念に出会って以来、いつか作成したいと思い続けてきたものでした。自費出版活動を続けて横浜市営地下鉄の「サインシステム」についての理解を不肖ながら深めてきた成果を、ようやく一つの形にすることができたのではないかと感じております。
 最近はサインに興味を持つ鉄道趣味者もだいぶ増えてきた印象ですが、多くは書体など表示のデザインへの関心が主流で、「サインが集合して旅客誘導をする」という機能そのものへの関心を前提として語られる機会はまだ少ないと感じております。2022年で開業50周年を迎える横浜市営地下鉄では開業当初、サインの集合としての機能性を積極的に追求し、トータルデザインの中に組み込んだことで、当時ではまだ珍しい洗練された駅デザインを実現しました。その「洗練さ」を追求する意志は、50年経った今日においても、本誌で取り上げたような、一駅すべてのサインを”わざわざ”更新するという行為そのものに、まだ受け継がれていると思っております。
 末筆ですが、いつもサークル活動を精一杯支えてくれる横浜交通研究所の諸君、同人誌即売会では毎度お世話になっております近隣サークルの皆様、そして日頃から拙著を楽しみに読んでくださっている読者の皆様に、心より感謝を申し上げます。

2021年12月31日 青線

サイン記録の三原則 (冒頭付録より抜粋)

 日頃から不特定多数の衆目に晒されるサインであるが、情報に溢れた現代社会の中でも、わざわざサインが記録・公開されていることは少ない。特に、撤去されてしまったサインの情報は、もう手に入らないと言ってよいだろう。撤去された後で泣きを見ないためにも、日頃からサインを記録することは重要である。
 このページに記したのは、サインの記録を目的として、カメラでサインを撮影する際の3つの心得である。筆者がサインを記録してきた中で導き、個人的に意識しているものである。もしサインを記録しようと思い立った場合には、参考までにご一読願いたい。

①周り見よ

 サインのある場所は、公共空間である。基本的な撮影マナーであるが、周囲の人への配慮を忘れてはならない。公共空間でのカメラの使用は、トラブルの種であることを常に意識する。また、サインの特徴として、表示面に正対する立ち位置は、主要な動線である場合が多い。つまり何も考えずに立つと、通行の邪魔である。サインは逃げないから、人の流れが途切れるタイミングを気長に待つこと。一般に、駅では終電に近い時間や休日の早朝などは通行者が少ない。
 周りを見ることは、記録する上でも役に立つ。サイン単体ではなく周囲の様子も合わせて撮影することで、初めて記録できる価値も存在する。これは、そもそもサインが、設置された空間や他のサインと相関することで初めて本来の役割を得るものだからである。サインの表示面を撮ったら、その周囲の景色も記録しよう。

②裏を撮れ

 人間、見えないものの存在には気が回らないものである。その場の勢いにまかせて撮影していると、撮影したサインの裏側の撮影はだいたい忘れるものである。サイン1枚撮影したら、それに満足せず、裏も覗くクセをつけよう。この項目は文量が少なく寂しいが、文章では表現しきれないほど非常に重要なポイントである。

③必ずブレるかボケている

 サインを撮る技術も意外と難しい。基本的にカメラは手持ちなので、特に地下駅のサインを撮影する場合、シャッター速度が遅くなりやすいため、写真はブレやすい。そして、F値も開放F値に近づきやすいため、ボケやすい。また、内照式のサインでは、ハイライトにより表示面が白飛びしたり、サインより暗い周囲が黒潰れしたりする。このような場合は記録対象に応じて設定を補正して撮り直した方が良いだろう。不明瞭な記録が命取りとなるサイン記録では、撮ったらその場を去る前に満足に撮れているか確認しよう。

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